良い矯正歯科に出会うには?
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健康な歯だけでなく、せっかくなら綺麗な歯並びの歯を手に入れたいと誰もが思いますよね。生まれてから完璧な歯並びで生まれてくる人はごくわずかです。芸能人の綺麗な歯並びには、それなりの費用がかかっています。そこで登場するのが、矯正歯科です。しかし、矯正歯科は虫歯治療ではないので、やらなくても良い治療です。そのため、「歯並びを治したいけど、歯科医院はたくさんあってどこに通えばいいかわからない」「行ったことのない歯医者さんを治療がうまいか判断するのは不可能だし…」矯正をしたいとは思うものの、そんな不安を抱えている方は少なくありません。しかし、そんな心配は必要ありません。矯正歯科の知識をしっかり身につけていれば、自分にぴったり合う最適の歯医者さんが見つかります。しかし、闇雲に探しても良い矯正歯科が見つかるわけではありません。歯医者毎にクオリティが違うので、場合によっては矯正歯科に行ったのに、歯並びが解消されず泣く泣く別の歯医者へ行った。という苦い経験をした人も少なくありません。そこでここでは、矯正歯科の選び方を紹介します。
良い矯正歯科と悪い矯正歯科の違い
まず、矯正歯科の知識を知るために、矯正歯科についての簡単な解説をしていきましょう。
良い矯正歯科とは一体どのような歯医者さんを指すのでしょうか?
矯正歯科は、虫歯治療と異なり歯医者さんによって料金が様々です。これは、矯正歯科が、保険適用外のため価格を自由に設定することが出来るためです。
どの歯医者さんも、治療費がどうしてもかかってしまいます。安く済ませたいと誰もが思いますが、ここで予算を削ってしまってはいけません。大切なのは、あなたの矯正歯科に対する思いを実現してくれるかどうかが、良い矯正歯科と言えます。もちろん、歯医者さんによって料金が異なるので、運が悪いと高いだけで、何も効果が得られないという歯医者さんと出会うかもしれません。
その一方で、良い歯医者さんに出会うことで、自分の悩みが解消されることもあります。そのためにも良い歯医者さんを見つけなければなりません。そのポイントとは、一体どのようなところなのでしょうか。
良い矯正歯科を見極めるための5つのポイント
良い矯正歯科を見つけるためには、いくつか気をつけるべきポイントがあります。ここでは、5つにポイントを絞り紹介していきます。
- 常勤矯正医が多数在籍しているか
- 最新の設備が完備されているか
- 歯列矯正以外の歯の治療も行っている「総合歯科」であるか
- 患者のサポート体制はしっかり整っているか。
- 長期間通える環境が整っているか。
これら5つの大切なポイントを絞った上で、矯正歯科の情報を見極めていくと、自然と良い自分にぴったりマッチした歯医者さんと出会うことが出来ます。しかし、これらのポイントが分かっても実際にはどのように見極めていけば良いかわからない。そう悩んでしまう人もいるかもしれません。そこで、ここからは、1つずつポイントを丁寧に紹介していきましょう。
その1.常勤矯正医が多数在籍しているか
矯正歯科の中には、学会が認めた医師という人たちが存在します。その資格は、基本研修期間指定証、臨床研修期間指定証という2つのものに分類されます。この資格を保有している人が、矯正歯科の学会から認められた歯科医となります。2つの違いは、基本研修は、大学の付属病院、臨床研修は開業医をはじめとした歯医者さんと考えるのが良いでしょう。ちなみに、日本に約10万人いる歯科医師の中で日本矯正歯科学会の認定医という資格を持っている歯科医師は、たった3%の約3000人しかいません。
そのため1人の矯正の認定医が何か所かの歯科医院を掛け持ちで診療していることが多いので、「常勤」というのはポイントが高いのです。
普通の歯科医師に矯正治療はできないのか?というと、日本の法律では、歯科医師免許を持ってさえいれば矯正治療を行うことは違法ではありません。
しかし、歯科医師にもそれぞれ専門・得意分野があるため、すべての医師が安全性に配慮された患者の負担が少ない方法で一流の矯正治療を提供できるということではありません。
矯正治療は歯科治療の中でも専門性の高い分野ですので、認定医になるためには歯科医師免許を取得した上で、さらに5年間矯正専門のトレーニングに専念しなければなりません。そのため診療の片手間で容易に習得できるものではありません。
虫歯などでお世話になる一般歯科で信頼できる歯科医師と矯正歯科で信頼できる歯科医師は違います。日頃から、かかりつけの歯科医院があり信頼できる人ならば「日本矯正歯科学会の認定医の先生を紹介して下さい」と尋ねてみたほうがいいかもしれません。
その2.最新の設備が完備されているか
当然ながら最新の設備がある矯正歯科では、より良い治療が受けられる可能性が高いです。ただし精密治療に不可欠なマイクロスコープといった、最先端の高価な機器を導入しているのは日本の歯科では数パーセントと少数。
最新の設備があるクリニックがベストな治療ができるとは必ずしも当てはまるわけではありませんが、どのような設備を持っているのかも、治療方法と合わせて確認するとよいでしょう。最新設備といっても、大切なのが矯正歯科において、効果的とされる機器が設置されているかどうかが大切です。例えば、歯科用CTを導入しているクリニックでは、この機器を使うことで、歯の3次元データを撮影することが可能です。この3次元データがあると、正確な診断を可能にすることが可能になります。コンピューターを駆使して、断層画像を見ることが出来、あごの内部構造、埋伏歯、細かい歯の構造まで、通常のレントゲン写真ではわからない情報も得ることができます。また、デジタルレントゲンでは、側面正面からみた骨格を見ることができ、歯並びの原因の特定、歯と歯の根、顎関節の状態を調べることができます。これらの機器を取り入れているかは、ホームページを見るとわかるでしょう。矯正歯科に力を入れている歯医者さんであれば、これらの機器の性能を紹介するページがあります。
その3.歯列矯正以外の歯の治療も行っている「総合歯科」であるか
各専門分野の歯科医師がチームを組み、技術を生かした精密な総合歯科治療が一か所でできるからです。
たとえば、矯正治療中にアクシデントがおきたので「他の歯科医院に行ってください」というケースもあります。総合歯科ならどんなケースでも対処することができます。また、矯正歯科は長期的に通うことがあります。場合によっては、通院し始めてから虫歯が発生してしまうケースもあります。他のクリニックにかかりつけになると、また1からカウンセリングを受けて情報を入力していかないといけません。しかし、総合歯科であれば、共通のカルテが存在するので情報共有がスムーズにされ、矯正治療に影響がない治療方法を検討してもらうことが可能です。万全な体制で臨むためにも、矯正歯科の専門クリニックではなく、総合歯科をオススメします。
その4.患者のサポート体制は、充実しているか?
矯正歯科では、患者のサポート体制がどれくらい充実しているのかもとても大切な判断材料です。通常の虫歯治療であれば、数週間通わなければなりませんが、長くても1~2ヶ月程度。しかし、矯正歯科の場合は、最低で1年半は治療に必要になります。つまり、長期間クリニックにお世話にならないといけません。また、治療後に元に戻ってしまった。というケースも少なくありません。また、矯正歯科にはゴールがありません。歯並びを綺麗にするという目的は共通でありますが、人によって歯並びの基準は様々。そのため、1人1人の患者さんのゴールが微妙に異なってくるのです。このゴールを実現させるためには、歯医者さんと患者さんの意思疎通がしっかりしていなければ実現することが難しいと言えます。これらの点を踏まえると、患者さんに対して親身に対応してくれるかどうかが大切です。歯医者さんによっては、専門の相談員がいる場合もあります。また、セカンドオピニオン制度を取り入れているところもあります。必ずあなたの親身になって付き合ってくれる歯医者さんを選ぶように心がけましょう。
その5.長期間通える環境が整っているか。
実は、この項目も矯正歯科ではとても大切なチェックポイントの1つです。これは、良い歯医者さんを見つけても、そこに本当に定期的に通うことができるかを判断しないといけません。ベストは、自分の最寄り駅周辺にあるクリニックですが、うまくそこにあるとは限りません。場合によっては、家周辺に歯医者さんがないこともあります。勤務先や、よく使う沿線の駅など自分がストレスなく通える環境を整えるようにしましょう。そのため、良い歯医者さんを見つけてもあまり遠いところは選ばないようにしましょう。もちろん、それでも通えるという自信があればそこで問題ないと思いますが、1年半~3年近く通うとなると、どうしてもめんどくさいと感じて治療に行かなくなる場合もあります。そのため、本当に長期間通えるクリニックかどうかも気にしながら見つけると良いでしょう。
以上矯正歯科の選び方の5つのポイントをご紹介しましたが、なんといっても親身になってしっかりコミュニケーションをとってくれる医師がいるクリニックを選ぶことはいうまでもありません。
また、この他にもまだまだ気をつけるポイントがいくつかあります。番外編として紹介しましょう。
良い矯正歯科を見極めるためのポイント【番外編】
その1.衛生設備は充実しているか。
治療に使う器具はどのように管理されているかを紹介されている方が安心です。デリケートなエリアを治療してもらう器具なので、衛生面のチェックもしっかり行いましょう。
その2.治療費は明瞭会計か
治療費は、歯医者さんによって大きく異なります。セット料金や、治療にどれくらいかかるのかを必ず明記しているところにしましょう。高額になってしまいますが、ローンを組めるところもあるので、お財布事情にマッチしたところを選びましょう。
番外編のチェック項目も、実は重要です。気になる方は、ここにも注目して矯正歯科を選ぶように心がけましょう。
まとめ
このように矯正は虫歯治療などと違い、治療に掛かる費用も高価で、治療期間も長いので、予算や期間の相談なども気軽にできてコミュニケーションを取りやすい歯医者でなければ困ります。何も考えずに近くの矯正歯科治療をしてくれる場所を選択した結果失敗してしまうのが、後悔してしまうポイントです。これを回避するためにも、今回紹介したポイントをしっかりチェックして矯正歯科選びをするように心がけてみてはいかがでしょうか。