噛み合わせ
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ここでは、噛み合わせの特徴や原因、矯正方法について紹介していきます。
噛み合わせの特徴
上の歯が下の歯より2~3mm外側に並んでいなければ、食べ物を効率よく磨り潰したり、正しく発音することができないだけではなく、奥歯で頬や舌を咬みやすくなり、口内炎にもなりやすくなるといわれています。
上下の前歯の前後的な噛み合わせに問題があると、多くの場合前歯だけでなく、上下の6歳臼歯の噛み合わせも前後にずれて正しくない噛み合わせになってしまうそうです。
自分の噛み合わせが良いのか悪いのかよくわかっていないという方も多いのではないでしょうか。実は日本人の79.9%は噛み合わせに異常があり、無視できない問題と言われています。
上下の前歯の真ん中が一致していない場合、上下の顎の骨や歯の噛み合わせが左右どちらかにずれています。
乳歯の歯並びでは隙間が空いているのが正しい歯並びですが、永久歯では歯と歯の間に隙間が空いているのは正しい歯並びではありません。
自然に口を閉じて、鼻呼吸ができていなければなりません。口元が出ていたり、口を閉じられなくて口呼吸になってしまうのも、前歯が前に出ている歯並びが原因になっていることが原因です。
また、左右の噛み合わせがずれていると笑った時にも、唇の左右の端の高さが違ってきます。
目立った特徴は、わかりづらいようですが、気を付けてみると、確かに噛み合わせ異常の患者さんはたくさんいそうです。
原因
上下の噛み合わせを悪くするのが「癖」。舌の位置が低くいつも下の前歯を押している癖、飲み込む時の舌が前歯を押している癖、指しゃぶり、爪や物を咬んだり吸ったりする、唇を咬む、いつも下の顎を前に出して咬むといった癖は、歯並びや噛み合わせが悪くなる原因になってしまうのだそうです。
左右どちらかで偏って咬む癖、頬杖、うつ伏せや横向きに寝る癖、歯ぎしりや、食いしばりなども同様。
生まれつき、左右の歯の数があっていない場合も、歯の中心がずれてしまうためかみ合わせに影響が出てしまうのですが、虫歯や歯周病で歯が無くなったまま放置していると、隣の歯がだんだん倒れてきて左右の歯並びのバランスがずれる可能性があります。
最近、体調がすぐれないという方は、クリニックで実際に口の中を診てもらい、歯並びや噛み合わせにどんな問題があるのか、確認してみてはいかがでしょうか。
噛み合わせが悪いことのデメリット
歯周病・虫歯になる
噛み合わせが悪いと歯周病や虫歯になりやすくなるというデメリットがあります。噛み合わせが良い歯だと、口内で自然に汚れが浄化される作用「自浄作用」が働き、食事で歯に付いた汚れが自然と落ちたり付きにくくなったります。一方、歯並びが悪いと汚れが付きやすくなるのです。さらに歯ブラシがきちんと届かない場所が増えて口内環境が悪化し、虫歯や歯周病になりやすくなります。
咀嚼障害(そしゃくしょうがい)
咀嚼は食べ物を細かくかみ砕き、唾液と混ぜて消化を助ける大切な機能です。噛み合わせが悪いと、食べ物をしっかり噛むことができなくなります。また舌の動きが偏って、唾液と混ぜる機能が十分に働かなくなることも。これを「咀嚼障害」と呼びます。咀嚼障害が悪化すると、食べ物を飲み込みにくくなる「嚥下障害(えんげしょうがい)」を引き起こす可能性も高くなります。嚥下障害になると、食べ物が上手く飲み込めず気管に入ってしまい、最悪窒息する恐れもあるのです。
消化器官への負担と肥満
噛み合わせの悪さによる咀嚼障害で食べ物を上手に咀嚼できなくなると、胃や腸などの消化器に負担がかかります。胃に負担がかかりすぎると、体調不良になりやすくなるので要注意。また、食べ物をよく噛まずに飲み込んでしまうのは肥満の原因にもなります。
頭痛・肩こり
あごの筋肉は、首や肩に繋がっています。噛み合わせが悪くなると、どちらか一方のあごだけ偏って使いがち。そうなると筋肉のバランスにズレが生じて、肩こりや頭痛を引き起こす可能性があります。
顔が歪む
噛み合わせが悪いと、あごの咀嚼筋(そしゃくきん)が偏ってしまいます。あごの片側ばかりを使っていると片方の咀嚼筋にばかり負荷がかかるため左右のバランスが悪化。左右で筋肉のサイズがズレてくるので、顔に歪みが生じてしまいます。
顎関節症が起きる
顎関節症は、顎関節のクッションの役割を持つ部分がズレたり歪んだりして起きる症状。近年若い女性に増えてきている症状です。大きく口を開けられなくなり、モノを噛む際に痛みが生じます。何かを噛むときに「シャリッシャリ」というような音が出ると顎関節症のサイン。噛み合わせが悪いと、顎関節症になるリスクは高くなると言われています。
ストレス
噛み合わせが悪いと頭痛や肩こり、顎関節症などさまざまな疾患を引き起こす可能性が高くなります。そうなると、日々の生活でどんどんストレスが溜まっていくでしょう。人間はイライラすると、歯を無意識に食いしばってしまいます。すると余計に噛み合わせがズレるという悪循環になってしまうのです。
自律神経失調症
噛み合わせのバランスは、神経のバランスにも大きな影響を与えています。噛み合わせの悪さをきっかけとして自律神経失調症になってしまうことも。自律神経失調症を引き起こす原因は頭痛・耳鳴り・動悸・不眠症・イライラや倦怠感などさまざまです。原因をひとつに特定するのは難しいですが、ストレスの影響が強いと言われています。噛み合わせの悪さはストレスと密接な関係があると考えられており、自律神経失調症を引き起こす原因の一つだと言えるのです。
良い噛み合わせとは
噛み合わせが悪いと起こるデメリットについて説明しましたが、噛み合わせの良い歯とは一体どのようなものなのでしょうか。ここでは、噛み合わせの良い歯について説明していきます。
上下の前歯が適切に噛み込んでいる
良い噛み合わせかどうかを判断する際、「上の前歯が下の前歯より前に出ていること」や「横から見たときの上の前歯が下の前歯より2~3mm前に出ていること」が目安になります。正面から見たときは、上の前歯が下の前歯を2~3mmかぶさるように触れて噛み込んでいるのが理想的です。
前歯の中心線が揃っている
上の前歯と下の前歯の中心が、正面から見てしっかり揃っているのも良い噛み合わせの特徴です。上と下で前歯の中心線がズレている歯並びは「交叉咬合(こうさこうごう)」と呼ばれ、噛み合わせが悪いと考えられます。
犬歯から奥歯までまんべんなく敷き詰まっている
良い歯並びを横から見てみると、犬歯~奥歯まで上下の歯が交互に噛み合わさっている形になります。具体的にいうと、上の歯それぞれの中心が、下の歯と歯の間にきているような噛み合わせです。
隣通しの歯がキレイに接触している
上下の噛み合わせはもちろんですが、隣合っている左右の歯とキレイに接触していることも良い噛み合わせのポイントです。歯の並びを真上から見たとき、歯の側面と隣の歯がキレイに接触していれば、キレイなアーチ型になります。歯が前に出ている方や歯にすき間がある方は、アーチ型がキレイに描けていない状態だといえるでしょう。
歯根があごの骨に沿っている
あご骨のラインに沿って、歯根が垂直に伸びているのも良い噛み合わせの重要なポイントです。歯根が垂直に伸びていれば、あごの骨に真っすぐ力が加わり正しい噛み合わせになります。こちらは、歯医者でレントゲン撮影をしないとわからないので、機会があればチェックしてみてください。
小臼歯が適切にかみ合っている
小臼歯(しょうきゅうし)は、犬歯と奥歯の間に並ぶ歯のこと。小臼歯は上下のあごの位置を正しく保つ役割があります。上下の小臼歯と、咬頭(こうとう)という2つの尖った部分が適切に噛み合わさっていれば、歯の位置は正しい位置に収まります。小臼歯は良い噛み合わせを保つために欠かせない歯なのです。
噛み合わせ治療の矯正方法
マウスピースを使ったり、歯列矯正やあご矯正(矯正であごの位置を治す)を行ったり、歯を削ったり仮歯を足したりといった治療を、症状に合わせて行っていきます。
ブラケット
ブラケットとは、噛み合わせの矯正器具のこと。歯にブラケットを固定し、ワイヤーで歯を動かして矯正します。治療の効果が現れるのは、数ヶ月から数年ほど経過してからです。
マウスピース
自分の歯並びに合わせたマウスピースを装着することで、正しい噛み合わせに近づける矯正方法です。マウスピースは取り外し可能なため、比較的気軽に取り組める矯正治療だと言えます。
インプラント
インプラントとは、チタン製の人工歯根をあごの骨に埋め込み、人口の歯を埋め込む治療法です。
あご矯正
あごの位置がずれていると、噛み合わせが悪くなります。あごが大きくズレている場合は、歯科矯正と同時にあごの矯正を行なうことが可能です。
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