歯列矯正にかかる期間は?

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矯正治療に時間がかかる理由

歯の矯正は一朝一夕にできるものではありません。どうしても時間がかかるものです。

では、歯の矯正にはどうして時間がかかるのでしょうか?

  • 歯を急激に動かそうとすると、歯や顎の骨などに大きなダメージを与えてしまいます。ですので矯正器具をつけ、長い時間をかけて矯正する必要があります。しかし、矯正器具をつけた状態で歯が移動するのは、3~4週間程度に1mmというごくわずかな量でしかありません。
  • 歯の矯正期間は、矯正器具をつけて歯を動かす期間だけではありません。動いたあとの歯の状態をキープするための「メンテナンス治療」の期間も含まれるので、矯正を完全に終えるまでには長い時間がかかるのです。
  • 小学校低学年~中学年くらいまでの子供のばあい、顎の骨のバランスを整えて永久歯が正しく生えるための準備をする「一期治療」を経て、小学校高学年になって永久歯が生えそろってからプラケットとワイヤーで歯を固定する「二期治療」を終えるまで待たないと完全に矯正を終えることができません。

矯正治療にかかる期間の目安

歯の矯正には長い期間が必要となります。では、どのくらいの時間を必要とするのでしょうか?

歯の矯正にかかる期間は、まず大人か子供かによって分かれます。

大人のばあい、治療期間はおよそ1年半から2年半、保定期間は同じく1年半から2年半となっています。

子供のばあい、治療内容によって「一期治療」と「二期治療」に分かれ、その期間はいずれも1年半から2年半、そして保定期間がさらに1年半から2年半あります。

もちろん、これらの期間は歯並びや抜歯矯正の有無などによって個人差があります。

治療法によって変わる期間

歯の矯正治療にはさまざまな手法があり、手法によって治療期間も変わってきます。

もっとも期間が短いのは前歯の位置のみを矯正する「部分矯正」で、3ヶ月から1年。

もっとも期間が長いのは矯正器具を用いるブラケット矯正で、3年ほどかかります。

ブラケット矯正

ブラケット矯正は歯並びとかみ合わせを矯正する治療法です。

メリットとしては、0.1ミリ単位で歯を動かせるため、もっとも歯並びをきちんと矯正できる点が挙げられます。

反面、矯正器具を歯に取り付けるため、外から目立つことになるというデメリットがあります。しかしこの点に関しては透明や白色の目立たない器具を用いることで軽減できます。

治療期間の目安としては、およそ2年半から3年程度となっています。

舌側ブラケット矯正

舌側ブラケット矯正は、前述したブラケット矯正器具を舌側、つまり歯の裏側に装着する治療法です。

そのためブラケット矯正に比べ器具が目立たないという非常に大きなメリットがあります。

ただし、舌側に器具を装着するという手法上器具が舌に当たるので違和感があるというデメリットがあります。また治療費がブラケット矯正に比べて高額になるというデメリットがあります。

治療期間の目安としては、3年程度となっています。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを付け替えながら歯の位置を矯正していく方法です。

マウスピースは透明なので目立ちませんし、食事や歯磨きのときは取り外すことができるというのが大きなメリットと言えます。

しかし治療に時間がかかるばあいがある、歯の位置を大きく変えることはできないので、小さな凸凹やすきっ歯の治療に限定されるといったデメリットがあります。

治療期間はおよそ1年から2年です。

部分矯正

部分矯正は、歯並びが気になる前歯だけに器具を取り付けて矯正していく方法です。

矯正するのは前歯だけなので、奥歯には影響が出ません。そのため、高齢者の方、歯周病の方でも治療を受けることができるのが大きなメリットと言えます。

反面、あくまで部分的な治療であるため、歯並びは矯正できても噛み合わせまでは矯正できないのがデメリットです。

治療期間は他の治療法に比べ比較的短く、3ヶ月から1年程度となっています。

矯正治療の流れについて

ここでは、歯の矯正治療の流れを「矯正治療開始」「治療開始後」「治療完了後」の3段階に分けて見ていきましょう。

矯正治療開始

まずは医師による問診が行われ、個人個人に応じた治療法を探るためのカウンセリングが行われます。

またこの段階で、治療にかかる期間や費用などについても説明が行われます。

次に、より詳細な治療計画を立てるため、歯や顎の状態を確認します。他にも、歯型や口腔内の写真などを採取し、治療計画を立てていきます。

それらが済むと、治療計画への同意を確認した後治療が始まります。

矯正器具を装着した後は矯正期間に入り、定期的に通院しながら装置を調整していきます。通院の頻度は治療法や状態によって異なりますが、おおむね3週間から1ヶ月に1回程度となります。

最初はやはり慣れませんが、じっくり時間をかけて治していくのが大切です。

勝手に器具を外したり、通院しなかったりすると治療に障害が出てしまうので、きちんと治療計画に従いましょう。

治療完了後

器具を装着しての治療が終わったても、まだ治療は完了していません。

矯正器具で動かした歯は、そのままにしておくと元の位置に戻ろうとして再び動き出します。

そのため、今度は動かした歯をきちんと固定するための保定期間に入ります。

リテーナーという保定器具を歯に装着し、動かした歯を固定します。

保定期間は治療期間と同じく、およそ1年半から2年半程度かかります。

通院の頻度は、およそ2ヶ月から半年に1回程度となります。

監修医師紹介

髙橋 一人 医師

髙橋 一人 先生
  • お名前:髙橋 一人
  • 経歴:
    昭和53年静岡県静岡市生まれ、静岡県静岡市在住。平成16年奥羽大学歯学部を卒業、平成21年奥羽大学大学院歯学研究科卒業、博士(歯学)取得。2014年に静岡県静岡市に歯科医院開業。

監修医よりコメント

歯列矯正にかかる期間は、治療終了後の保定期間も大切です。歯列矯正の方法は、直接歯に力をかけて動かす方法だけではありません。小学校の低学年のお子さん限定ですが、口の周りの筋肉のバランスを改善して、アゴの成長を助ける方法もあります。そもそも歯並びは口の周りの筋肉の影響を受けるので、歯に力をかけて歯を動かして終わりではなく、治療完了後の安定性のために、口の周りの筋肉にも気をつけることが大切ですね。

※本記事の医師監修に関して、学術部分のみの監修となり、医師が具体的なクリニックや施術や商品等を推奨しているものではございません。

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